【賞与の悔し涙】5月決算を前に3月末でクビ。ボーナスをもらい損ねた主婦が知った「失業保険」の現実

目先のお金だけではなく、心と制度の両方を考えることが長い目では大きな安心につながります。
前回の記事では、3月末退職者が一斉にハローワークへ集まることで起きる大混雑や、ゴールデンウィークによって初回の失業保険の振り込みが大きく遅れる現実についてお話ししました。
その経験を経て、私はふとインターネットで「退職するなら何月がお得なのか」という記事を見つけました。
そこには必ずと言っていいほど、
「賞与(ボーナス)をもらってから辞めるのがお得です。」
「退職日はタイミングが命です。」
そんな情報が並んでいます。
確かに、その考え方自体は間違っていません。
私の前職でも、5月には決算賞与が予定されていました。
あと2か月。
たった2か月耐えれば、私も賞与を受け取れたかもしれません。
ところが現実は、その前に会社都合で契約終了を告げられました。
ハラスメント冤罪という理不尽な出来事の末、私は3月末で職場を去ることになり、5月の賞与は一円も受け取ることができませんでした。
正直、とても悔しかったです。
「あと少しだったのに。」
そう考えることもありました。
しかし、時間が経ってから冷静に振り返ると、見えてきた景色はまったく違いました。

もし、「ボーナスだけはもらいたい」と無理をして5月まで働いていたら、どうなっていたでしょうか。
当時の私は、毎朝「今日は会社へ行けるだろうか」と思うほど心身が限界でした。
普通の顔を作る練習をしながら職場へ戻り、トイレやロッカーで涙をこらえ、休日は体を回復させることだけで精一杯。
そんな状態でさらに2か月耐え続けていたら、途中で心が折れて、自分から「もう辞めます」と言っていた可能性も十分ありました。
もし自己都合退職になっていたら、当時の制度では給付制限があり、失業保険を受け取るまで長い無収入期間を過ごさなければならなかったでしょう。
賞与を数万円多く受け取れたとしても、その代わりに失業保険の給付開始が大幅に遅れ、精神的にも経済的にも、もっと苦しい状況になっていたかもしれません。
そう考えると、会社都合で退職し、すぐに失業保険の手続きへ進めたことは、結果として私自身を守る「生存戦略」だったのだと今では思えるようになりました。
もし今、ボーナス目前で会社を辞めざるを得なくなり、「自分だけ損をした」と落ち込んでいる方がいたら、どうか目先のお金だけで自分を責めないでください。
心を壊してしまったら、その後の人生を立て直す方が、何倍も大変だからです。
【社会保険の落とし穴】ネットで噂の「月末の1日前退職がお得」をパート主婦が真に受けると大損する理由
退職時期について調べていると、もう一つよく見かける情報があります。

扶養に入る予定の主婦は、退職日の1日の違いで思わぬ負担が発生することがあります。
それが、
「月末の1日前に退職すると社会保険料が引かれないからお得。」
という裏ワザです。
例えば3月31日が月末なら、3月30日に退職する。
そうすると、その月の健康保険料や厚生年金保険料が給与から引かれず、最後の手取りが増えるという話です。
これだけを見ると、確かに魅力的に見えます。
ですが、この情報は誰にでも当てはまるわけではありません。
特に、退職後すぐに夫の扶養へ入る予定のパート主婦は、安易に真似をしない方が安心です。
社会保険は、原則として退職日の翌日に資格を失います。
つまり、3月30日退職なら、3月31日には会社の健康保険から外れることになります。
一方で、多くの会社では扶養の資格取得日は4月1日からとなります。
すると何が起きるのでしょうか。
3月31日のたった1日だけ、どこの健康保険にも加入していない状態が生まれてしまう可能性があるのです。
その空白を埋めるためには、市区町村で国民健康保険や国民年金の手続きを行う必要が出てくる場合があります。
しかも、保険料は日割りではなく月単位で計算されることが一般的です。
「1日だけだから安いはず。」
そう思っていても、実際には1か月分の保険料が発生するケースがあります。
さらに、市役所での手続きも増えます。
手取りを数千円増やすつもりが、数万円単位の負担や手間につながってしまうこともあるのです。
だからこそ、夫の扶養へ入る予定のパート主婦にとっては、無理に裏ワザを狙うよりも、会社と相談して月末を退職日に設定し、そのまま翌月から扶養へ切り替える流れの方が、結果として一番シンプルで安心だと私は感じました。
ネットには「誰かにとってのお得」がたくさん書かれています。
でも、それが自分にとってのお得とは限りません。
家族構成や働き方によって、正解は大きく変わるということを、この経験から学びました。
【3月末の真実】大混雑と大遅延のデメリットを超えて、実は人生逆転のベストタイミングだった理由

退職はゴールではなく、新しい人生を整えるためのスタートラインにもなります。
もちろん、3月末退職にはデメリットもありました。
4月のハローワークは想像以上の大混雑。
認定日には待合室に入りきれないほど人が集まり、初回の失業保険はゴールデンウィークを挟んだことで、振り込みまで半月以上待つことになりました。
生活費を考えると、不安にならなかったと言えば嘘になります。
それでも今振り返ると、私はあのタイミングで職場を離れられて本当に良かったと思っています。
4月。
世間が新しい年度を迎えてキラキラ動き出すタイミングで、あのハラスメント同僚のいる工場を抜け出し、国がくれた「神様からの新生活の休息期間」を手に入れて、お家でゆっくり心身をデトックスできたことは、私の人生にとって最高のベストタイミングでした。
失業保険という心の命綱を手に入れた私が、次に考え始めたのは「これからの働き方」です。
正直に言うと、あの工場の人間関係で深く傷ついた私の心は、「また新しい職場でフルタイムのパートを始める」という現実に対して、猛烈な恐怖と拒絶反応を起こしていました。「また大嘘つきの同僚がいたらどうしよう」「会社が守ってくれなかったらどうしよう」と、一歩を踏み出す勇気が出なかったのです。
そこで私は、無理に元の働き方に戻るのをやめました。
「まずは週に2〜3日だけ、1日数時間の『短時間パート』から、リハビリのつもりで少しずつ社会復帰を目指してみよう」
そう心に決めたのです。
短時間パートなら、理不尽な人間関係にどっぷり浸かるリスクを減らせますし、何より自分の心と体を最優先に守りながら、少しずつ笑顔を取り戻していくことができます。
いま、あの頃の私と同じように、次の仕事を探すのが怖くてベッドの中で動けなくなっている主婦のみなさん。無理に「正社員」や「フルタイム」で元の生活に戻ろうと頑張らなくて、本当に大丈夫ですよ。
私はお家にいるこの休息期間中、スマホを使って求人サイトをのんびり眺めることから始めました。

今すぐ応募しなくても、「世の中には、週2日からでも歓迎してくれる、短時間で優しい職場がこんなにたくさんあるんだ」と知っておくだけで、いつでも逃げ道がある安心感がお守りになり、張り詰めていた心がすーっと軽くなっていきます。
ネットの一般論に惑わされず、あなたが「ここから、もう一度ゆっくり歩き出そう」と思ったその日こそが、人生を新しくひっくり返す最高のタイミングです。まずは短時間の、あなたを絶対に傷つけない優しい居場所を探すことから、私と一緒にのんびり始めてみませんか?

📚 ハローワーク・失業保険シリーズ

