待機期間の過ごし方|最初の7日間に「何もしない」が100点満点な理由
ハローワークで失業保険の手続きを終えると、最初に訪れるのが「7日間の待機期間」です。
私は当時、この期間について詳しく理解していたわけではありませんでした。
「とにかく働かなければいいんだろうな」
そのくらいの認識しかなく、家で静かに過ごしていました。
理不尽な退職を経験した直後だったこともあり、新しい仕事を探そうという気持ちにはまだなれず、ただ心と体を休ませることだけで精一杯だったのです。
ところが後になって、ハローワークから受け取った『雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり』を読み返してみると、自分が取っていた行動は、結果的に最も正しい過ごし方だったことが分かりました。
しおりには、「待機期間」は完全に「失業の状態」であることが必要だと書かれています。
つまり、
- 単発アルバイト
- 数時間だけの仕事
- 家族や知人のお手伝いで収入につながるもの
- 内職や業務委託
こうした「働いた」と判断される可能性がある行動は、この7日間は避ける必要があります。
もし働いた日があれば、その日数分だけ待機期間が延びてしまう可能性があるためです。
私は当時、そのルールを細かく知っていたわけではありません。
それでも、「今は何もできない」「何もしたくない」という自分の心と体の声に従って家で休んでいました。
今振り返ると、それは決して怠けていたわけではありません。
制度の趣旨にも合った、正しい休み方だったのです。
仕事を失った直後は、不安からどうしても焦ってしまいます。
「何か始めなきゃ。」
「少しでもお金を稼がなきゃ。」
「休んでいる場合じゃない。」
そんな気持ちになる人も多いと思います。
でも、心がボロボロになっている状態では、無理に動いても良い判断はできません。
失業保険という制度は、そういう人が安心して次の一歩を考えられるように作られています。
だからこそ、この最初の7日間だけは、堂々と制度に甘えてください。
洗濯ができなくても大丈夫。
昼まで寝てしまっても大丈夫。
ソファでぼーっとテレビを眺めていても大丈夫。
焦って何かを始めるよりも、「今は休むこと」が仕事だと思ってください。
私はあの7日間、自分では「何もしていない」と思っていました。
でも実際には、何ヶ月も張り詰め続けていた神経を少しずつ緩め、次の人生へ向かう準備をしていたのだと思います。
何もしない時間は、決して無駄ではありません。
それは、もう一度立ち上がるための、大切な充電期間なのです。
雇用保険説明会|「不幸なのは私だけじゃない」小さな映画館ほどの会場で心がふっと軽くなった日

待機期間が終わると、次にやるべき事は「雇用保険説明会」への参加でした。
私はハローワークの一室で行われるものだと思っていましたが、実際は別会場で開催される比較的大きな説明会でした。
会場へ入った瞬間、私は思わず驚きました。
そこには、想像していた何倍もの人がいたのです。
まるで小さな映画館が満席になったような光景でした。
前を見ても、後ろを見ても、人。
右を見ても、左を見ても、人。
年齢も性別も本当にさまざまでした。
若い人もいれば年配の方もいる。
スーツ姿の人もいれば、普段着の人もいる。
外国の方もいましたし、友達同士で「久しぶりだね」と笑顔で話している人もいました。
なんだかその光景は私にとってとても不思議でした。
それまでの私は、
「私は世界で一番惨めなんじゃないか。」
そんなことばかり考えていました。
職場では理不尽なハラスメント冤罪に巻き込まれました。
会社は私を守ってくれませんでした。
契約終了という形で職場を去ることになり、自分という人間を全否定されたような気持ちで毎日を過ごしていました。
「私は必要とされなかった人間なんだ。」
そんな考えが、頭の中を支配していたのです。
でも、その会場には何百人もの人が座っていました。
もちろん、一人ひとり辞めた理由は違います。
会社都合の人。
自己都合の人。
病気で退職した人。
家庭の事情があった人。
人間関係で悩んだ人。
会社が倒産した人。
理由は誰にも分かりません。
でも、確かなことが一つありました。
人の数だけ、それぞれの事情がある。
そして今、この場所には、その事情を抱えながら前へ進もうとしている人たちが集まっている。
そう思った瞬間、不思議なくらい肩の力が抜けたのです。
「私だけじゃなかったんだ。」
その一言だけで、世界の見え方が変わりました。
説明会では、今後の手続きや求職活動、失業認定日までの流れなどが丁寧に説明されました。
もちろん、事務的な説明が中心です。
でも私にとって一番大きかったのは、説明の内容そのものではありませんでした。
「これから前を向いて生活していく人たちの中に、自分もいる。」
そう実感できたことです。
退職した瞬間は、「終わり」だと思っていました。
けれど、説明会へ参加した日からは、「ここから始まるんだ」と考えられるようになりました。
ほんの少しですが、未来という言葉に希望を持てるようになったのです。
失業保険は、お金を受け取るためだけの制度ではありません。
傷ついた心を少しずつ社会へ戻していくための「橋」のような役割もあるのだと、私はこの日初めて感じました。
もし今この記事を読んでいるあなたが、仕事を失ったことで自分を責め続けているなら、どうか覚えていてください。
あなたは決して一人ではありません。
説明会の会場には、さまざまな事情を抱えながらも、一歩ずつ前へ進もうとしている人たちがたくさんいます。
今、一人で部屋で泣いているあなたも絶対に孤独じゃありませんよ。説明会の扉を開ければ、仲間がたくさん待っていますからね。


