『「自分に自信がない」のにプライドはエベレスト級…?職場のあの人に感じた違和感の正体「カバートナルシスト」の罠』

【嘘つき・トラブルメーカー対策】

【最初のアンテナ】「私なんて…」と自虐するあの人に、なぜか強烈な引っかかりを覚えた理由

前回の記事では、会社が「ハラスメント対策をしています」という形を作るために行ったようにも見える研修と、その中で私が感じた組織の不条理についてお話ししました。(前回記事)

研修は行われた「だけ」で、何も変わらなかった。

むしろ、長い間傷ついてきた私にとっては、「会社は本当に何を見ていたのだろう」と、さらに苦しくなる出来事でした。

でも、今回の記事では、もう少し時間を巻き戻してみたいと思います。

そもそも私は、なぜあの同僚との関係で、あれほど追い詰められることになったのか。

なぜ最初は「優しくしてあげたい」と思っていた相手に、いつの間にか強い警戒心を抱くようになったのか。

その答えは、私が最初の頃から感じていた、言葉にできない小さな違和感の中にあったのかもしれません。

alt="心が傷付いている 頭の中にもやがかかっている"

👩第一印象は控えめで自分に自信がない女性

彼女と出会った頃、私は工場で検査や軽作業をするパートとして働いていました。

仕事を覚えながら、周囲の人たちと少しずつ関係を作っていく毎日。

その中で彼女は、よく自分を低く評価するような言葉を口にしていました。

「私、自信がなくて心配性なの」

「本当にいい人だよねって言われるけど、いつも私って損ばかりしちゃう」

「私なんて全然できないから」

そんなふうに言う彼女を見て、当時の私は素直に「心配性なんだ」と受け取っていました。

そして、私はその悲観的な言葉を否定してあげたくなったのです。

「そんなことないよ」

「真面目だし、ミスも少ないよね」

「周りからも信頼されていると思うよ」

alt="自信がない女性を励ます同僚"
心配がる彼女を「そんなことないよ」と肯定していた

今思えば、私は彼女の言葉を疑うことなく、そのまま受け止めていました。

自信がないと言う人には励ましが必要。

自分を低く評価している人には、長所を伝えてあげたい。

そう考えるのは、決して悪いことではありません。

むしろ、相手の気持ちを想像できる優しい人ほど、自然にそうするのではないでしょうか。

しかし、一緒に仕事を続けるうちに、私の心の中には少しずつ説明しにくいモヤモヤが積み重なっていきました。

彼女は「自信がない」と言う。

けれど、何かを確認されると、なぜか強く反発し、傷ついたように見える。

ちょっとしたアドバイスでも、「自分を否定された」と受け取っているように感じることがある。

そして、自分のことは「私は悪くない」「私は我慢している」と語る一方で、他人については「あの人はプライドが高い」「腹黒い人だ」と厳しく評価する。

その言葉と態度の間に、私は少しずつ違和感を覚えるようになりました。

もちろん、その時点で私は「この人はカバートナルシストだ」と考えていたわけではありません。

そもそも、そんな言葉すら知りませんでした。

ただ、

「本当に自信がない人なのかな?」

「どうして、あんなに自分を低く見せるのに、他人からの指摘にはこんなに敏感なんだろう?」

「私が何か悪いことをしたのかな?」

と、理由の分からない引っかかりを感じていたのです。

alt="何かひっかかる 納得できない様子"
心配性と言いながら、怒られるのは受け付けない?

そして困ったことに、私はその違和感を相手ではなく、自分の問題として考えてしまいました。

「私の心が狭いのかな」

「自信がない人を、素直に受け入れてあげられないなんて冷たいのかな」

「もっと優しくしないといけないのかな」

今振り返ると、私は相手の言葉を信じすぎて、自分の感覚を後回しにしていたのだと思います。

でも、あの頃の私は知りませんでした。

人は、相手が口にしている言葉だけではなく、表情や態度、反応の仕方、他人への接し方など、たくさんの情報を無意識に受け取っています。

だから、「言葉では説明できないけれど、何かがおかしい」と感じることがあります。

それは、必ずしも相手を悪く決めつけているわけではありません。

自分の心が、言葉と行動の間にあるズレを感じ取っている可能性もあるのです。

あの頃の私は、その小さなアンテナを何度も無視しました。

「考えすぎだよ」

「悪く受け取りすぎだよ」

そう言い聞かせて、相手に合わせ続けました。

でも、今なら思います。

違和感を感じたこと自体は、悪いことではなかった。

むしろ私は、もっと早く自分の感覚を大切にしてもよかったのかもしれません。


🎭【エベレスト級のプライド】被害者の仮面を被った怪物「カバートナルシスト(隠れナルシスト)」の3大特徴

alt="カバートナルシストと同意である心理学的な特徴"

心理学の世界では、一般に「カバートナルシスト」と呼ばれる特徴を、「脆弱型自己愛」や「脆弱型ナルシシズム」と表現することがあります。

これは、堂々と自慢をしたり、「自分はすごい」と言ったりする分かりやすいタイプとは少し異なります。

外から見ると控えめ。

自信がなさそう。

傷つきやすそう。

むしろ、謙虚で優しい人に見えることもあります。

しかし、その内側には、他人から認められたい気持ちや、軽く扱われたくない気持ち、批判されることへの強い恐れが隠れている場合があります。

研究では、脆弱型の自己愛には、他人からどう見られるかへの過敏さや、承認を強く求める傾向、防衛的な反応などが関連するとされています。(PubMed Central (PMC))

ただし、ここで大切なのは、「自信がない人はみんなカバートナルシスト」という意味ではないことです。

本当に自信を失っている人もいます。

過去の経験から、自分を低く評価してしまう人もいます。

だから、たった一つの言動だけで誰かを決めつけることはできません。

私がここでお伝えしたいのは、診断名をつけることではありません。

「自信がない」と言いながら、周囲を傷つけたり、他人を悪者にしたり、自分だけが被害者であるように振る舞ったりする関係には、注意が必要だということです。

私が後から知った特徴の中には、あの同僚との関係を理解するヒントになるものがありました。

1.❤️‍🩹【特別な私を見てほしい】「可哀想な私」が注目を集める

一見すると、自虐は謙虚な言葉に見えます。

「私なんて全然できない」

「みんなには分からないと思うけど、私はずっと我慢している」

「私はいつも損をする」

こうした言葉を聞けば、周囲は心配します。

「そんなことないよ」

「いつも頑張っているよ」

「あなたは悪くないよ」

と励ましたくなります。

でも、もし相手が何度励ましても、何度褒めても、また同じように「私は可哀想」「私は報われない」と言い続けるなら、少しだけ立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。

その人が求めているのは、問題の解決ではなく、「特別な私を見て」「私の苦しさを認めて」という注目や共感になっている可能性もあるからです。

もちろん、誰でも弱音を吐くことはあります。

助けを求めることもあります。

それ自体は悪いことではありません。

けれど、自分の苦しさを語るたびに、周囲が励まし、気を遣い、優先し続けなければならない。

一方で、他人の苦しさには興味を示さない。

そんな状態が長く続くと、周囲は少しずつ疲れていきます。

私も最初は、「自信がないなら支えてあげよう」と思っていました。

でも、いつの間にか私は、彼女の気分を悪くしないように言葉を選び、何かを確認するときも必要以上に気を遣うようになっていました。

そして、

「私の言い方が悪かったのかな」

「また傷つけてしまったかな」

と、自分を責めるようになっていたのです。

そのとき初めて気づきました。

相手を励ましているつもりだったのに、いつの間にか私は、相手の自己評価を支え続ける役になっていたのかもしれない、と。

2.🤬【批判への過剰な拒絶反応】小さな確認が「全否定」に変わる

alt="注意されることに耐えられない女性"
少しの注意にも過剰な反応をする

職場では、誰でも確認や注意を受けます。

「ここ、もう一度確認してもらえますか?」

「この手順で合っていますか?」

「次からは、この方法でお願いします」

本来であれば、業務を円滑に進めるための普通の会話です。

しかし、相手の中に「私は否定されてはいけない」「失敗したと思われたくない」という強い恐れがあると、何気ない言葉まで攻撃のように感じられることがあります。

「私のことが嫌いなんだ」

「また責められた」

「みんなの前で恥をかかされた」

実際にはそこまで言われていなくても、心の中で意味が大きく変換されてしまう。

そして、その苦しさを誰かに話すうちに、

「私は何もしていないのに、あの人に怒られた」

「怖くて仕事ができない」

という物語になっていくことがあります。

ここで難しいのは、本人が必ずしも意図的に嘘を作っているとは限らないことです。

本人の中では、本当に「攻撃された」と感じている場合もあります。

だから、こちらが事実を説明しても、

「そんなつもりじゃなかった」

「私は普通に確認しただけ」

と言えば言うほど、

「自分の苦しみを分かってくれない」

と受け取られてしまうこともあります。

私も何度も、「きちんと説明すれば分かってもらえる」と思いました。

でも、説明すればするほど、話は複雑になりました。

そして気づけば、私は「怖い人」「いつも怒っている人」のように見られるようになっていました。

今なら分かります。

相手が受け取った感情と、実際に起きた事実は、必ずしも同じではありません。

だからこそ、相手の感情だけを基準にして、自分が悪かったと決める必要はないのです。

3.👎【陰湿なマウンティング】自分を守るために、誰かを下げる

alt="マウンティング ガスライティング"

「自信がない人なら、他人を見下すことはない」

私は以前、そう思っていました。

でも実際には、自分の評価が不安定な人ほど、誰かと比べることで安心しようとする場合があります。

自分より仕事ができる人。

周囲から信頼されている人。

落ち着いていて、自分の意見を持っている人。

そんな存在が、本人にとって「自分の価値を脅かす相手」に見えてしまうこともあります。

すると、直接対決する代わりに、

「あの人、ちょっと怖くて」

「私は何もしていないのに、怒られた」

「なんだかプライドが高いよね」

と、周囲へ少しずつ話を広げることがあります。

自分は弱い側。

自分は傷つけられた側。

相手は怖い側。

そんな構図ができれば、自分の立場を守りやすくなるからです。

私が後から知った話の中には、「私が既婚男性に色目を使っている」「いつも怒っている」など、事実とは違うものもありました。

なぜ、そんな話が生まれたのか。

当時は理解できませんでした。

でも今は、「相手を悪く見せることで、自分の立場を守ろうとしていた可能性もある」と考えています。

もちろん、本当の理由は本人にしか分かりません。

だから、私はここで「あの人は間違いなくカバートナルシストだった」と診断するつもりはありません。

ただ、彼女の言動には、私が後から知った脆弱型自己愛の特徴と重なる部分がありました。

そして何より重要なのは、名前が何であったとしても、その関係によって私が傷つき、仕事へ行けなくなり、眠れなくなり、自分を責め続けたという事実です。

診断名が分からなくても、傷ついた事実まで否定する必要はありません。


【あなたの直感は正しい】「私の心が狭いのかな」と自分を疑うのを今すぐやめていい理由

もしあなたの職場にも、

「私なんて全然できない」

「自信がないから」

「私はいつも損をする」

と言いながら、なぜか周囲を疲れさせる人がいるなら。

そして、その人と接した後に、

「何だか分からないけど、すごく疲れる」

「言葉では説明できないけど、引っかかる」

「私が悪いのかな」

と感じているなら。

まずは、自分の感覚を責めないでください。

違和感を覚えたからといって、あなたが冷たいわけではありません。

相手を嫌いになったからといって、心が狭いわけでもありません。

人は、相手の言葉だけを聞いているわけではありません。

表情。

声の調子。

他人への態度。

自分が困っているときの反応。

褒められたときと、注意されたときの変化。

言葉と行動の一致、不一致。

そうしたたくさんの情報を、無意識のうちに受け取っています。

だから、

「言葉では謙虚なのに、なぜか偉そうに感じる」

「自信がないと言うのに、少しの指摘も受け入れない」

「いつも被害者のように見えるのに、なぜか周囲の誰かが傷ついている」

という矛盾に気づくことがあります。

その感覚は、相手を診断するためのものではありません。

「この人は危険人物だ」と決めつけるためのものでもありません。

自分が安心して関われる相手なのか。

どこまで距離を近づけていいのか。

自分の心を守るために、どんな境界線が必要なのか。

それを考えるための、大切な情報です。

私が一番苦しかったのは、相手の言動だけではありませんでした。

「私が悪いのかもしれない」

と、自分の感覚まで否定し続けたことでした。

相手が泣けば、私が悪いと思った。

相手が「怖い」と言えば、私が怖い人なのかもしれないと思った。

周囲に話が広がれば、「私の態度に問題があったのかな」と考えた。

でも、今なら言えます。

相手が傷ついたと言ったことと、私が本当に悪いことをしたかどうかは、同じではありません。

相手が自分を被害者だと感じていることと、私が加害者であることも、必ずしも同じではありません。

そして、あなたが違和感を覚えたことは、あなたの性格が悪い証拠ではありません。

もし相手との関係で、いつも自分だけが謝っている。

いつも自分だけが気を遣っている。

相手の機嫌を損ねないように、言葉を何度も選んでいる。

それなのに、相手はあなたの気持ちを考えず、周囲には自分の苦しさだけを話している。

そんな状態なら、一度だけ立ち止まってみてください。

「私は、この人を助けるために、どれだけ自分を削っているんだろう?」

と。

あなたは、誰かの自己評価を支えるために働いているわけではありません。

誰かの機嫌を守るために、自分の言葉を失う必要もありません。

誰かが「私は可哀想」と言うたびに、あなたが「あなたは悪くない」と証明し続ける義務もありません。

優しさは素晴らしいものです。

でも、優しさに境界線がなければ、いつか自分の心がすり減ってしまいます。

私も、もっと早く気づけばよかったと思うことがあります。

けれど、あの頃の私は、相手を悪く考えたくなかった。

できるだけ優しくしたかった。

関係を壊したくなかった。

だから、自分の違和感を何度も押し込めました。

それは弱さではありません。

人を信じようとした結果です。

でも、これからは少しだけ、自分の感覚も信じてあげてください。

「なんか引っかかる」

その気持ちを、すぐに「私の性格が悪いから」と否定しなくていい。

相手に診断名をつけなくてもいい。

相手の本心を完全に理解しようとしなくてもいい。

ただ、

「私は、この人といると疲れる」

「私は、この言い方をされると傷つく」

「これ以上は、自分を削りたくない」

そう感じたなら、それだけで距離を調整する理由になります。

『自信がない』と言いながら、あなたをじわじわと削ってくるあの人は、あなたの優しさに寄りかかりながら、自分の不安やプライドを守ろうとしているのかもしれません。

でも、もう、その「弱さ」に付き合い続けて、自分を犠牲にする必要はありません。

あなたの素晴らしい直感のアンテナを信じてください。

そして、心の中でそっと境界線を引いてください。

相手を変えようとしなくてもいい。

相手を理解し切れなくてもいい。

あなたが守るべきなのは、相手の機嫌ではありません。

あなた自身の心です。

これからは、自分の一番大切なエネルギーを、自分のために守り抜いていきましょうね。

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