青天の霹靂
手続きの委託会社からの突然の電話。ルンルンだった私を襲った「扶養NG」の冷酷な現実
前回の記事では、「主婦パートなら月末退職をして、翌月から夫の扶養に入るのが一番スムーズ」というお話をしました。
私は会社都合で3月末に退職し、4月1日から夫の扶養へ入るつもりで必要書類を一つずつ揃えていました。
扶養異動届。
離職票。
雇用保険受給資格者証。
必要と言われた書類はすべて提出し、あとは手続きが終わるのを待つだけ。
そう思っていたのです。
ところが数日後。
一本の電話が、私の安心を一瞬で吹き飛ばしました。
電話の相手は、夫の会社が社会保険の審査を委託している専門会社の担当者さんでした。
丁寧で優しい口調だったのですが、その最初の一言を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になりました。
「大変申し訳ありませんが、奥様は今回の失業保険を受給される期間中、ご主人の扶養に入ることができません。」
私は思わず聞き返してしまいました。
「扶養に入れない……ですか?」
頭の中では、
「あれ、書類ちゃんと書けてなかったかな?」
「何か書類が足りなかった?」
そんな考えばかりがぐるぐる回ります。
担当者さんは落ち着いた声で、
「書類に問題はありません。」
「扶養の判断基準のお話になります。」
と、ゆっくり説明してくださいました。
そのとき初めて私は、主婦が一番勘違いしやすい”130万円の壁”の本当の意味を知ることになります。
130万円の罠
「1年間もらうわけじゃないのに!?」主婦が一番勘違いしやすい失業保険の日額ルール
当時の私は、完全に勘違いしていました。
失業保険は数か月しか受け取らないだろうし、年間130万円なんて絶対に超えない。
「扶養のままで大丈夫でしょ。」
そう思っていたのです。
しかし、担当者さんから返ってきた説明は、私の予想とはまったく違いました。
健康保険組合では、「実際に何か月受け取るか」ではなく、「現在受け取る予定の日額」を基準に判断する場合があります。
「この日額のペースが一年間続いたと仮定すると、年収換算で130万円を超えるため、扶養認定はできません。」
と説明してくださいました。
私は思わず、
「でも一年ももらわないですよ?」
と聞き返しました。
すると、
「そうですね。しかし健康保険の扶養認定は、このような基準で判断する決まりになっています。」
という返事でした。
なるほど。

これは税金の130万円の壁とは、まったく別の話だったのです。
「最終的にもらう総額」
で考えてしまっていましたが、健康保険では
「現在の収入見込み」
という考え方で判定されることがあります。
担当者さんによると、私が加入予定だった健康保険組合では、失業保険の日額が約3,561円以下であれば扶養を継続できる可能性がありました。
しかし私は約4,600円。
残念ながら対象外でした。
最後に担当者さんは優しく、
「失業保険の受給が終わって、新しい短時間パート先で扶養内勤務になるようでしたら、そのとき改めて扶養申請をしてくださいね。」
と声を掛けてくださいました。
電話を切ったあと、ぼーっと考えました。
さっきまで「扶養に入れて安心」と思っていたのに、一気に「無保険になる」という現実を突きつけられたからです。
ーー絶望からの救い。スマホ(マイナポータル)で手続きを始めてみたら……?
「あぁ〜市役所に手続きに行くのかあ」と絶望した私ですが、今の時代はスマホという強い味方があります。
私は自宅のソファでスマホを握りしめ、すでにインストールしてあった「マイナポータルアプリ」を開いて、まずは国民年金の手続きに挑戦してみました。
国民年金から届いていた案内リーフレットの通り、マイナポータルの「年金」の項目から「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き(種別変更)」を選び、手順に沿って画面を進めていくと……驚くほど簡単!
面倒な書類の記入もなしに、スマホ1本で国民年金への切り替え申請が完了してしまいました。
「よし、この勢いで国民健康保険の手続きもスマホで終わらせるぞ!」と意気込んで画面をポチポチ進めたのですが、ここで現代のデジタル手続きの「リアルな罠」にぶつかりました。
実は、国民健康保険の手続きは、お住まいの自治体(市区町村)によって、マイナポータルからの電子申請に対応しているかどうかがバラバラなのです。私の地域では、残念ながら国保の手続きまではスマホだけで完了させることができず、途中でストップしてしまいました。
「マイナポータルで一発解決!」と思ったのも束の間、現実はそう甘くありません。年金は国が管理しているから全国どこでもスマホでいけますが、健康保険は「市役所(地方自治体)」が窓口だからこそ、こうしたタイムラグや地域の壁が生まれてしまうのです。
ですから、これから扶養を外れて手続きをする主婦のみなさんに、リアルなアドバイスを強く残しておきます。
「マイナポータルを開いたら、まずは年金の手続きをお家で終わらせて、自分の体力を50%温存すること。そして国保に関しては、あらかじめ自分の地域のホームページで『電子申請ができるか』を必ずチェックしておくこと」。
もし非対応だった場合は、潔く離職票や身分証を持って市役所(区役所)の窓口へ行く必要があります。
というわけで、私はスマホを閉じ、覚悟を決めて実際に「区役所の国民健康保険の窓口」へと直接突撃してきました!
ホームページには「退職して資格を喪失してから14日以内に手続きをすること」とお堅いルールが書かれていたので、期限を過ぎていたら何かペナルティがあったりする?と内心ドキドキしていましたが……結果は、拍気抜けするほど「大丈夫ですよ」と優しく対応してもらえました。
窓口で私がトレイに出したのは、以下の3つです。
- マイナンバーカード
- 健康保険・厚生年金資格喪失確認通知書
- 失業保険受給資格者証
窓口では数枚の用紙に名前や住所などを記入したのですが、職員さんが「ここに書いてくださいね」と親切にマーカーで印をつけてくれたり、口頭でものすごく分かりやすく説明してくれたので、迷うことは1ミリもありませんでした。
手続きが終わると、「国民健康保険被保険者資格取得証明書」と「資格情報のお知らせ」という書類を手渡されました。
ここで職員さんから「マイナンバーカードに新しい保険証の情報が完全に反映されるまでは、この『資格情報のお知らせ』を一緒に持ち歩いて病院に出してくださいね」と言われました。明日からすぐに病院にかかりたい主婦の方は、絶対にこの書類をお守り代わりにバッグに入れておいてくださいね!
ちなみに、私は毎月コンビニに払いに行くのが絶対に忘れがちになるタイプなので、その場で「口座引き落とし」の手続きもお願いしました。
キャッシュカードさえ財布に入っていれば、同じフロアの別の窓口へそのまま案内され、カードを出してわずか5分ほどで引き落とし登録が完了してしまいました!(※対応していない銀行もあるかもしれないので、念のため注意してくださいね)。
💡 ここで大切な手続きの仕分け!
この窓口での口座登録は、あくまで「国民健康保険」のものです。「国民年金」は請求が全くの別枠になるので、こちらは最初にお話しした通り、お家に帰ってからソファで「マイナポータルアプリ」を使ってサクッと引き落とし登録をすることにしました。ここを一緒だと勘違いすると、後から年金の未納通知が届いて焦ることになるので要注意です!
平日の昼間を狙っていったおかげもありますが、待ち時間も含めてすべてにかかった時間は【たったの20分くらい】。
館内で終わる手続きを流れるように繋いでくれたので、最初の絶望が嘘のように、全くストレスなしでスッキリと役所を後にすることができました。

最後に、就職したときや、また新しく夫の扶養に入ったときには「国保を脱退する手続き」を忘れずに行う必要がありますが、これも窓口に来る必要はなく、ネットからいつでも簡単に手続きできるそうですよ。
ーー「扶養に入れない」と言われた瞬間は、世界から見捨てられたような強いショックを受けます。これから毎月の引き落としが来るかと思うと、通帳を見てちょっと憂鬱な気持ちにもなります(笑)。
でも、大丈夫。今の日本にはマイナポータルという強い味方が半分助けてくれますし、役所の窓口の職員さんも、あなたの味方になって優しく書類を案内してくれます。役所の行列に怯えて疲弊する必要はありません。
お金が少し出ていくことになっても、それはあの地獄の人間関係から這い出て、自分の大切な心と健康を100%守り抜くための、正当で前向きな大人の自衛のための必要経費です。これからいくらでも、自分の力で楽しく取り戻していけばいいんですからね。
使えるテクノロジーと役所の優しさは賢く使いながら、一歩ずつ、お財布と自分の体を最優先に、新しい一歩を私と一緒にのんびり進めていきましょうね。

