脳の後悔を止める|「あそこでああ言えばよかった」という空回りを消し去るスイッチ
職場の人間関係で深く傷ついているとき、不思議なくらい頭の中で同じ場面が何度も再生されることがあります。
「あの時、もっと違う言い方をすれば良かった。」
「あの人は本当は何を考えていたんだろう。」
「次に会ったら、また何か言われるかもしれない。」
私もあの5ヶ月間は、そんな考えが止まりませんでした。
家に帰っても、お風呂に入っても、布団に入っても、頭の中では職場の出来事が繰り返されます。
まるで脳が勝手に反省会を続けているようでした。
しかし後から脳科学について学ぶと、この状態にはきちんと名前があることを知りました。
それが**「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」**と呼ばれる脳の働きです。
DMNとは、ぼんやりしている時や何もしていない時に自然と活動しやすくなる脳のネットワークで、過去を振り返ったり未来を想像したり、自分について考えたりするときに働くとされています。
本来はとても大切な機能です。
経験を整理し、次に生かすためには必要な働きだからです。
しかし、強いストレスを抱えていると、このDMNが休まず動き続けることがあります。
その結果、
「あの人はなぜあんなことを言ったのか。」
「私は悪かったのだろうか。」
「また同じことが起きたらどうしよう。」
という思考が堂々巡りになり、脳が休まる時間を失ってしまいます。
私が好きな音楽を聴きながらジョギングを始めると、不思議なくらいその反省会が止まりました。
当時は「気分転換になった」としか思っていませんでしたが、今なら理由が分かります。
ジョギングは、左右の足を交互に前へ運び、一定のリズムで呼吸を続ける運動です。
すると脳は、「今、走る」という動作に意識を向ける必要があるため、過去や未来を延々と考え続けるDMNの活動が落ち着きやすくなると考えられています。
さらに私は、大好きな音楽を聴きながら走っていました。
リズムに合わせて足を運び、歌詞に耳を傾けているうちに、さっきまで頭を占領していた職場の出来事が少しずつ遠ざかっていく感覚がありました。
悩みが消えたわけではありません。
でも、「今、この瞬間」に意識を戻せる時間があるだけで、脳は少し休憩できるのです。
走り終わる頃には、「明日も何とか頑張ろう」と思える自分がいました。
ちなみに、私が走るときに絶対に欠かせなかったのが「音楽」の存在です。
ただがむしゃらに走るのではなく、その日の自分の心の沈み具合に合わせて、「今日の私の心だったら、この曲なら一歩を踏み出せそう」「このイントロなら頑張って走れるかもしれない」と、宝物を探すようにじっくりと曲を選んでいました。
実は、この「音楽を選んで聴く」という行動にも、脳科学的に素晴らしい自衛の効果があります。
好きな音楽を聴くと、脳内ではやる気や快感を司る「ドパミン」が一気に分泌されます。職場のストレスでドパミンが枯渇し、「何もしたくない…」と心が凝り固まっているときこそ、あえてお気に入りのメロディを耳から流し込むことで、脳のやる気スイッチを外側から強制的にポンと押してあげることができるのです。
周囲の白い目や理不尽な噂話でいっぱいの職場のノイズを、イヤホンで完全にシャットアウトし、自分の大好きな音楽の世界に没入する。それは当時の私にとって、荒れ狂う嵐の中から自分の心だけを安全なシェルターへ避難させる、最も手軽で、最も確実な「耳からの防衛策」でした。
天然の抗うつ剤|ジョギングが脳のゴミ箱を空っぽにし、ストレス物質を消費するメカニズム
ジョギングを続けるうちに、もう一つ不思議なことがありました。
家を出る前はあれほど重かった気持ちが、帰る頃には少し軽くなっているのです。
これは決して「気の持ちよう」ではありませんでした。
適度な有酸素運動をすると、脳内ではさまざまな神経伝達物質が分泌されることが知られています。
まず、リズム運動によって分泌が促されるとされるのがセロトニンです。
セロトニンは安心感や心の安定に関わる物質として知られ、十分に働くことで気持ちが落ち着きやすくなります。
さらに、運動を続けることでドパミンの働きにも良い影響が期待されます。
ドパミンは「やってみよう」という意欲や達成感に関わる神経伝達物質です。
走り終えたあと、「今日はちゃんと走れた」という小さな達成感が生まれるのは、この仕組みとも関係しているのかもしれません。
そして、多くの人が耳にしたことがあるランナーズハイ。
これは運動によってエンドルフィンなどの物質が分泌され、一時的に心地よさや痛みの軽減を感じる現象と考えられています。
もちろん、誰もが毎回ランナーズハイになるわけではありません。
それでも私は、走っている最中だけは、不安や恐怖から少し距離を置けている感覚がありました。
さらに見逃せないのが、筋肉そのものの働きです。
強いストレスが続くと、体内ではコルチゾールなどのストレスホルモンが高い状態になりやすいとされています。
適度に体を動かすことは、こうしたストレス反応を和らげることにつながる可能性があると考えられています。
だからこそ、走り終わったあとに感じる「ああ、少しスッキリした」という感覚は、単なる気分の問題ではなく、体全体が緊張状態から少し解放されたサインだったのかもしれません。

走る時間がもっと楽しくなる!ジョギング中に音楽を聴くメリット
脳内物質が出て頭がすっきりするジョギングですが、ただ黙々と走るだけだと、最初はちょっと退屈に感じてしまうこともありますよね。
そこでおすすめなのが、お気に入りの音楽やラジオを聴きながら走ることです!
でも、普段使っているイヤホンだと走る振動で落ちてしまいませんか?私は耳にぎゅっと詰まってる感じが苦手だったりします。
色々試した結果、今はイヤーカフ型のワイヤレスイヤホンに落ち着いています。
これが本当に優秀で、耳を挟む感覚がすごく柔らかいのに、走っても全然落ちないんです!
むしろ付けているのを忘れて、そのままお風呂に入りかけたことが何度もあリます(笑)。
唯一の注意点は、耳の穴を完全に塞がないタイプなので、音量を上げすぎると少し音漏れがすること。外を走る分には問題ないですが、静かな電車などで使うときは少しだけ音量に注意が必要です。
でも、そのぶん周囲の音がしっかり聞こえるので、後ろから車や自転車が近づいてきてもすぐに気づけて、屋外ランニングでの安全性はバツグンです!
しかも、このタイプはかなり安価で手に入るので、「まずは試してみたい」という方には全力でおすすめします。
みなさんの好みに合わせて、おすすめの3タイプを紹介しますね。
- 【コスパ&軽さ重視なら】イヤーカフ型
とにかく安くて、付けているのを忘れる軽さ。初めてのスポーツイヤホンに最適です。[楽天市場でおすすめイヤーカフ型イヤホンを見てみる] - 【より本格派・高音質なら】骨伝導型
耳を塞がない安全性はそのままに、より本格的なスポーツ仕様。ブレないフィット感を求めるならこちら。[楽天市場でおすすめ骨伝導型イヤホンを見てみる] - 【操作性ラクラク】液晶画面つきイヤホン
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私の場合、ジョギングは職場の問題を解決してくれる魔法ではありませんでした。
翌日になれば、また同じ職場へ向かわなければいけません。
それでも、一度リセットできる時間があったからこそ、心が完全に折れてしまわずに済んだのだと思います。
もし今、職場の人間関係で苦しみ、「頭の中がずっと同じことでいっぱい」という状態なら、無理のない範囲で少しだけ体を動かしてみるのも一つの方法です。
走ることが好きではない人は、散歩でも構いません。
家の周りを5分歩くだけでも十分です。私も最初はウォーキングでしたし、10分コース、20分コース、30分コースとその日の体調に合わせてコースも変えていました。
大切なのは、「今、この瞬間」に脳を戻してあげる時間を作ることです。
そして、もし今は立ち上がる元気さえ残っていないのなら、それでも大丈夫です。
お布団の中で深呼吸を1回するだけで100点満点ですからね。
今のあなたの体は、一生懸命ここまで頑張ってきました。
だからまずは、「今日も生きていてくれてありがとう」と、自分の体を少しだけ労ってあげてください。🌱

